テクニカル指標の1つであるMACDについて、概要とトレンド・レンジ相場での使い方、注意点についてご説明します。

MACDとは

MACDはジェラルド・アペル氏が開発したテクニカル指標です。Moving Average Convergence Divergenceの頭文字をとってMACDと呼びます。「マック・ディー」とも呼ばれます。
 
直訳すると「移動平均収束拡散法」です。移動平均の一種である指数平滑移動平均(EMA)を基に構成されており、直近の相場の変化に敏感で比較的ダマシが少ないといわれています。
 
MACDは、MACDラインとシグナルラインの2つのラインのよって構成されています。
 

各指数について

MACDライン

MACDラインは、短期の指数移動平均線と長期の指数移動平均線をもとに計算します。長期EMAと短期EMAがどれだけ離れているのかを示しています。
 
MT4にデフォルトで入っているMACDでは、シルバーのヒストグラムで表示されます。
 

シグナルライン

MACDラインの移動平均を求めたものがシグナルラインです。MACDラインの移動平均(シグナルライン)は、単純移動平均を用いることが多いですが、指数移動平均を用いる場合もあります。
 
MT4にデフォルトで入っているMACDでは、赤色のドットラインで表示されます。
 

MACDヒストグラム(MACD2)

MACDラインとシグナルラインの位置関係をわかりやすくしたものがMACDヒストグラムです。MACD2とも呼ばれます。MT4にデフォルトで入っているMACDでは表示されません。
 
MACDヒストグラムは、0ラインを起点に形成されます。ヒストグラムが0ラインを基準に上側から下側へ、または下側から上側に切り替わる場合、MACDラインとシグナルラインがクロスしていることを示しています。
 

各指数の計算式

MACDライン

条件式短期移動平均の期間 = n日、中期移動平均の期間 = k日
 
計算式短期(n日)指数平滑移動平均-中期(k日)指数平滑移動平均
 

シグナルライン

条件式MACD移動平均の期間 = m日
 
計算式MACDのm日移動平均線
 

MACDヒストグラム(MACD2)

計算式MACD-シグナル

各期間の標準値

短期指数移動平均線の標準値9日や12日を用いることが多いですが、トレードスタンスによって調整して使用します。
 
中期指数移動平均線の標準値26日を用いることが多いですが、トレードスタンスによって調整して使用します。
 
シグナルの標準値9日を用いることが多いですが、トレードスタンスによって調整して使用します。

トレンド相場での利用方法

MACDは次の4つの点を観察します。
 

  1. MACDラインとシグナルラインの位置関係
  2. MACDラインやシグナルラインの向き
  3. ゼロラインとの位置関係
  4. ダイバージェンス

 
順番にポイントを見ていきましょう。
 

MACDラインとシグナルラインの位置関係

MACDラインとシグナルラインが交差する際、MACDラインがシグナルラインを下から上に抜ける場合をゴールデンクロス、上から下に抜ける場合をデッドクロスといいます。
MACDのゴールデンクロスとデッドクロス
 
移動平均でもゴールデンクロスは買いサイン、デッドクロスは売りサインという解釈が一般的ですが、MACDの場合も同様の解釈となります。
 

MACDラインとシグナルラインの向き

2つ目のMACDラインとシグナルラインの向きについても、移動平均と同じ見方をします。つまり、上向きであれば上昇トレンド、下向きであれば下落トレンドだと考えます。
 
とりわけ、第1の点と組み合わせて、上向きの時のゴールデンクロスや、下向きの時のデッドクロスはより信頼性の高い売買シグナルであると考えることができます。
 

ゼロラインとの位置関係

3つ目のゼロラインとの位置関係ですが、MACDの計算式と比べてみましょう。
 
MACDはもともと2つの移動平均の差を取ったものです。つまり、MACDの値が0より大きいということは、短期移動平均が中期移動平均の上にある状態を意味し、反対にMACDが0よりも小さい場合には短期移動平均が中期移動平均の下にある状態を意味します。
 
ややこしいですが、MACDがゼロラインより下の、グラフのより低い地点でゴールデンクロスしている場合はより強い買いサイン、MACDがゼロラインより上の、グラフのより高い地点でデッドクロスしている場合はより強い売りサインと考えることができます。
グラフのより低い地点でゴールデンクロスしている方が強い買いサイン
 

ダイバージェンス

最後に、MACDのダイバージェンスについてご説明します。
 
MACDはラインで表示されていることが普通ですが、このMACDラインのトレンドとロウソク足のトレンドが矛盾することがあります。例えば、ロウソク足が上昇トレンドで高値を切り上げているにもかかわらず、MACDは高値を切り下げている場合などです。
ダイバージェンス
 
この場合は、そのトレンドの終了が間近であることを示しており、手仕舞いサインとなります。上記の画像でダイバージェンスが起こっていますが、この後相場の転換が起こっています。
ダイバージェンス後相場の転換

レンジ相場での使い方

上記のようにトレンド相場では、MACDはトレンドの方向や強さを示してくれる有用なインジケーターです。しかしレンジ相場になると、ふらついた動きとなり「ダマシ」を連発する場面が増え、非常に使いづらくなります。
 
したがって、レンジ相場でのMACDの使用は基本的に控え、RSIやストキャスティクスなどのオシレーター系のテクニカル指標を使うようにしましょう。

MACDの注意点

MACDもほかのテクニカルと同様、時間軸を短くすればするほど「ダマシ」の回数が多くなります。したがって日足や4時間足など長めの時間軸で用いることをお勧めします。
 
また、MACDのダイバージェンスですが、これは手仕舞いのサインではありますが新規エントリーのサインとしては用いないことが普通です。つまり、MACDがダイバージェンスを起こしたらポジションを手じまうだけで、しばらく値動きの経過を見守り、新たにクロスするなどのサインが出てから新規にエントリーすることをお勧めします。

MACDが得意とする相場や活用法 まとめ

MACDはトレンド相場向きのテクニカル指標です。トレンドの向きや強さを把握できるので、順張りの際に活用しましょう。

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